武田野武虎コラム\
芦安ブランドの甲斐犬繁殖
「甲斐犬保存会」再興か
平成18年1月8日
甲斐の国の新年も厳しい寒さとともに始まった。
元日の、山梨日日新聞の三面トップ「よみがえれ甲斐犬の里」の大きい
活字に目がとまった。
いまでは、甲斐犬の発祥の地・芦安村(現在は南アルプス市芦安地区)
には、残念ながら芦安中学校のHP上の調査でも、甲斐犬のはたった7匹
しか飼育されていないのが現状だ。
その地で、有志がかっての「甲斐犬の里」復興を目指すというのだ。
その新聞記事によると
昭和63年(1988年)に地元住民の甲斐犬愛好家が「甲斐犬保存会」
を設立したそうだ。しかし会で独自に優秀な甲斐犬の作出を試みたが失敗、
平成16年(2004年)10月にあえなく解散してしまった。
記事は、その元メンバー2名が芦安を甲斐犬の里の名に恥じないよう復興
へのリベンジをしているのを、イヌ年にちなみ紹介する内容であった。
彼等は残った会費で2匹のメスの甲斐犬を購入、山野の入り組んだ芦安の
環境のもと強い足腰を鍛えた芦安産ブランド「オリジナル甲斐犬」として繁殖し
その復興に取り組むというのだ。
その一人は南アルプス市職員の伊井和美さん(46)と飼育甲斐犬「南号」、
もう一人は芦安の山小屋管理人の森本茂さん(59)と飼育甲斐犬「アルプス号」
だ。 犬はどちらも1歳である。それでも芦安の甲斐犬の飼育数はあわせて
たった10匹程度だ。
森本さんは
「甲斐犬らしいスタイルを維持し、能力を磨くには芦安の地形が最適。
市街地での甲斐犬の飼育では甲斐犬独特の野性味が失われる」と芦安で
育てる意義を強調する。
また、今後は「優秀な甲斐犬のオスがいれば交配も検討し、甲斐犬発祥の
地の復興につなげたい」と意気込んでいるそうだ。
一方、南アルプス市の石川豊市長は
「甲斐犬は発祥の地で育てていくことに意義がある。地域ブランドとしてPR
するためにも再び甲斐犬保存会を結成してもらい、運営費を補助する等の
支援策を検討中」だそうだ。
ちなみに、芦安ブランドの甲斐犬は、南アルプス市などによると
*体高32cmから51cmで、体重は12kgから24kgがスタンダードとされる。
(*2006・1/.1「山梨日日新聞」より抜粋)
小生にいわせれば芦安で昔のように甲斐犬が群れるのは大賛成だが、
由緒ある「天然記念物甲斐犬愛護会」が堂々あるなかに、「甲斐犬保存会」を
あえて結成するのはいかがなものか。
そこで小生がひとつ提案したい。芦安地区は猿害がひどい。それで、この
地域を甲斐犬特区と指定して、かってそうだったように甲斐犬を放し飼いに
したら如何だろう。 猿は山の奥に引っ込むだろうし、強いオス犬が種犬の
権利を得て(自然のなりゆきだが)、結果優秀な甲斐犬のみが生き残って
いくだろう。はずである。
芦安の里山を、甲斐犬が群れをなして闊歩する光景は小生の初夢なのか。
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