ロットワイラーが、手初めであった。

 この犬は、ドイツでは軍用犬だし良い番犬にしようと飼ったのだ。

 なにせ顔立ちもいいし、ブラック&マホガニーの毛色も小生好みだ。

 特に目の上の「麻呂のマーク」が愛嬌あってお気に入りなのだ。

 寝ていても、遠くからみると目開いてるみたいなところが実にいい。

 獣医が、しつけを誤ると飼い主でも手がつけられないのよと忠告

されたのでとにかく、おっとりするように育てたつもりだ。


 次に仲間入りしたのが、ブルマスティフだ。 強面(こわおもて)の犬が欲しくなっていた。

 ボルドー(フレンチ)マスティフ、ナポリタンマスティフも、選択肢であったが、

よだれがすごそうなので止めた。

 たまたま、dogoo.comのサイトから「とりたま」さんのホームページにはいったら、

ブルマスの子犬の超かわいい画像が載ってたのでたまらず即決しちゃったのだ。

 飼ってみたらこんな飼いやすい犬種はない。


 そして、ブルドッグ。これは、かかりつけの獣医が飼っているフレンチブルドッグ

をみてしまったのが原因だ。

 フレブルの癒し系の顔にお目にかかって、小生も癒してもらいたくなってしまった。

 そしてフレブルのブリーダーの何軒かに連絡をとってみたところ、あいにく子犬が

みつからなかった。 そんな、こんなしているうちに英ブルドッグの方が、よりユーモラスで、

より癒されそうなので英ブルドッグを飼うことにしたのだ。


 甲斐犬は、山梨県立図書館で甲斐犬に関する書物を読んでからだ。

 灯台もと暗しとは良く言ったもので自分が生まれ育った甲斐の国の地犬が、

「忠犬ハチ公」を超える数々のエピソードを持つすばらしい犬種であったとは

驚きであった。

 甲斐犬は郷土の誇りであり宝物だと痛切に感じ、やはり自分の手でこの犬を

飼ってみなくてはと思ったからだ。

 確かに甲斐犬は二君に交えない武士道を地でいく忠犬だし、日本刀に例えられる

ほど頭脳明晰だ。

 しかしながら甲斐犬には3kイメージ−きつい、怖い、咬みつくといったマイナー

な面があるのも事実だ。

 とくに猟場において他人を咬んだり、友猟犬とけんかしたりすることがあるので、

.「友人を無くす犬種」だと猟友会の先輩に言われている。

 柴犬と比較して甲斐犬の飼育登録数が極端に少ないのは、この辺が原因かも

しれない。

 甲斐犬愛好家のみなさんが、あまりにも酔いしれて「この性格こそ甲斐犬の

本質なり」、「これでこそ甲斐犬なり」と申されても、あばたもえくぼでは世間には

通用しないだろう。

 一昔前には、飼い犬をお互いにけんかさせ合った時代があった。

 でも、これは独りよがりの時代錯誤で、現在の「犬は家族の一員」というペット

事情からみても、あきらかに理解されないであろう。

 やはり、咬みついたり、他犬にけんかを売っていくようなコアなところは、例え

甲斐犬であっても淘汰していくべきだと思う。


            
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みにくい内輪もめは
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おもしろがるだけなのです。

エピローグ:甲斐犬考