獣医小林承吉氏による

@大正13年(1924) 市立甲府動物園嘱託医の時

朝鮮産メス狼と様々な犬種との交配種を

試みるがことごとく失敗してしまう。


グレートデン・土佐犬・独ポインター・

ブルドッグ・日本犬を狼舎に、次々に

いれてみるが、狼に喰いつかれたり、

犬のほうが腰をぬかしたりしてしまって

結局は交尾までには至らなかった。
A昭和14年(1939) 市立甲府動物園園長の時

満州産メス狼と甲斐犬の交配種作出に成功
甲斐犬オス1才と、メス狼(1.5ヶ月)を

同居させた。やがて狼は8貫と甲斐犬

4.2貫の2倍にもなったが、食事のとき

ケンカをしても「狼、甲斐犬におよばず」

で、甲斐犬のほうが強く、2年後のシー

ズンに交配に成功。

狼灰色♂♀各一頭、甲斐虎毛色♀二頭出産する。
しかし、うち狼灰色♂一頭は生後6日で死亡する。
<新狼犬の性格>
オオカミとしての傾向

 ものすごく敏捷、身軽、よじのぼる。 
 人を噛む。馴れない。訓練は無理。
 遠吠えをする。ワンと吠えない。

イヌとしての傾向
 尾を振る(食事の時)、人にも接する。
 帰家性がある。
 
甲斐犬オス(左)とオオカミ(右)の夫婦
(上)生後3ヶ月の新狼犬。
(中)小林承吉翁と生後1ヶ月の新狼犬。
(下)生後45日の新狼犬。
甲斐狼犬作出記
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甲府市立動物園内にて)
@甲斐狼犬作出記
A火事を教えた甲斐犬
B野に帰った「駒」
C原産地は移る
D「富士号」の死
E「鉄」という犬
F甲斐犬とともに暮らして
G地すべりを教えた甲斐犬
(付録)犬の愛に嘘はない